2014年11月23日日曜日

子どもたちの土プロジェクト 続報

素焼きの状態を観察したあと、いよいよ1200度以上の高温で焼くテストを行う。
先生と相談した結果、やはり釉薬を溶かす温度(いわゆる一般的なやきものの本焼き温度である1230度前後)で試してみることになった。

上は、前回素焼きの状態。
本焼きにあたって、溶けたり発泡したりする心配があるので、目の細かい貫入土で容器を作って焼成することにした。

焼きあがりがこれ。1225度の電気窯、酸化焼成。
素焼きでは似たようなオレンジ色もずいぶんと変わるものだ。
ついでに、その下の生土とも比較しよう。


観察

  1. ねばり:整形するには土同士がくっつくための粘りと、形を維持する性質が必要。とってきた土をなんとなく水で練って四角く固めたものは素焼きでバラバラになってしまった。これはそもそも形を作れない。バラバラになったものは、小さい受け皿に入れて焼いた。
  2. 収縮率:一般に陶芸の土として適している収縮率は85%〜92%くらいが目安となる。
    12版は85%、8番は82%、14番は60%?程度まで縮んでいる。概ね収縮率が高く、割れる危険性が大。
  3. 耐熱性:本焼きで受け皿にくっついてしまうものは、一部が溶けているので適さない。くっつかなかったものは、8,14,17,23。 12は△、1と24はNG。
  4. 色:本焼きで黒〜赤茶は鉄分を含んでいる証。黒い粒が溶けているようなものは砂鉄。できればあまり無い方がよい。

陶芸粘土としてつかえるか?

もちろん、それぞれ何らかの工夫をして、作るものや温度を工夫すれば使えるはずだ。
だがしかし、一般的な釉を溶かし、器を作るとなると、先ずは土が溶けないもの。収縮が少ないもの、となる。
そういった意味で、単体で使えるものはかなり限定されてきて、しかも本番も同じように焼ける保証は無い。
事実、電気のテスト窯ではきちんと焼けているものでも上手く焼けなかったケースは何度もある。
つまり、鉄分が多い土は厄介なのだ。

今回のテストでは、おおむね黄色っぽい土が溶けずに残り、黒い土は釉のように溶けてしまった。
砂目の粘土は比較的安全だった。
ということで、まとめると、収縮率や粘りなど調整して、もしかしたら使えそうなものは、8、17、23。
中でも23は目が均一で砂鉄も少なく、釉をかけると美しくなりそうな感じだ。

2014年11月13日木曜日

よだれ〜!子供たちが土をテーマにやきものプロジェクト

近くの小学校で、土をテーマに一年間勉強してきた締めくくりに、自分で探した土でやきもの作りをしようというプロジェクトが始まりまた。
相談を受けた私。本日提案させていただいたサンプルを回収。即素焼きに入ります。
妙高地区、24カ所のピースです。
生でも美しい!
もうたまりません。


はい。翌日。
700℃で素焼き、このようになりました。
流石!先入観無し。

2014年10月28日火曜日

h26小濁焼講座のしめくくり

▼Sさんfacebookより「1280度の世界から生まれた陶器達・・・。今年で3年目・・・。まだまだ精進が足りませね!!」

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▼Wさんfacebookより「こんな色になったよ!
同じ釉薬でも、土が違うと色も違う。
不思議ねぇ〜〜(OvO)」

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▼Kさんfacebookより「2014の窯、開きました。
年々欲が出るらしく、悲喜こもごも。最初の年は焼けただけで嬉しかったのに(^.^;)
10点以上作ってイメージ通りいったのは2点だけでした。」

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解らない、不思議、嬉しさや残念が感動になります。

ヤキモノ好きは世に沢山いるけれど、陶芸好き…作ることに興味を失わないで欲しい。なぜなら自分が自然の一部になれるから。

小濁焼は、自分で土を取って、自分で釉をブレンドして、自分で薪を割って、身の回りの自然の不思議や脅威に出逢える素晴らしい体験です。

今年も素晴らしかった!

講評

「今年の土は難儀だった」

もちろん焼成における薪の扱いの難しさも勉強になったが、最後はSさんの写真で分かる通り、1280度まで上がってしまうという昇温に関しては収穫のある窯焚きができた。途中、ブロワーによる熾のコントロールも覚えた。

ともあれ何と言っても土。採取〜電気窯によるテスト焼成の時は、こんなにラッキーな土は無いと思えるほどだったのに、薪で焼いてみると・・。

それも意外にも整形でも割れ、素焼きでも割れ・・結果的に歩留まりの悪い土だった。

薪窯の難しさを改めて知った年。しかしいよいよ面白い作品が取れるようにもなり、大きなな成果のあった年だった。

2014年6月25日水曜日

土研究その2(結果)と釉研究報告

6月11日。今年度のテストピース作りは土の調合と釉の調合を同じ日に行った。土のテストピースは素焼き無しで直接本焼き。窯はテスト用に購入した小型の電気窯。小さいので一気に高温になるのが便利だが1234℃以上に上がらなかった。
6月25日窯出し。テストの内容は、土と釉に分けて報告する。

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土

今年度は市内では珍しい須恵器を焼いた諏訪窯跡がある三ツ俣(みつまた)の土に挑戦する。原土のピースでは1230度焼成で収縮率90%という嬉しい縮まない土でホクホクしたが、濾してみて解ったこと・・・粘りがない。要するに砂気の多い土ということなのだが、微小の砂であるため、粘りのある土を配合しようとなり、昨年採った麻苧田(あそだ)を混ぜてみることにした。
収縮率の大きい麻苧田を5割混ぜてもこのとおりの85%。あとは、好みの触感と作るものに合わせて調合すればいいと思う。

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釉

2年前から講座ではテーマを設けてきた。2012年は薪ストーブの灰。2013年は自然材料でマットな釉や鉄の入った釉。今年は、身近にある動物釉。ちょっぴり冒険して変わった素材に取り組んでみよう。ということだ。
但し、じっくりと試行錯誤ができないので、興味半分で決め打ち配合でやってみようとなった。
素材はカルシウム系。「淡水系の貝」と「イノシシの骨」前者は炭酸カルシウム、後者はリン酸カルシウム。(認識が間違っていたらすみません)
炭酸カルシウムは釉材料の石灰をイメージして基礎原料として、リン酸カルシウムは発足補助剤として仮説をたて調合してみた。
リン酸カルシウム(猪骨灰)のテスト骨灰は鉄赤釉の赤を際立たせ、藁白の白を安定させるという。まずは結果から。

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入れたものと入れないものの差を見るピースが準備できていないため資料不足。
藁白(乳濁釉)は良好に白い。但し上の配合は固そうで下は流れ気味。中間を狙えばいいのだろうがその配合にしても焼成の条件で左右されるのでどうしたものか。また、酸化では白いが還元では青くなるような気がする。

鉄赤は思った結果にならなかった。赤いと言えば赤いのだが、鮮やかな赤に近づけたいので鉄赤とは言い難い。貝はよく溶かしてビードロをイメージしたが、長石に対して5割配合したものは不透明になってしまい、全く筋違いな結果となった。

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本番釉は欲張らず、藁白、鉄黒?などとして今年の新作としたらどうだろうか、意見をもらおうと思う。

2014年5月20日火曜日

h26土研究その1

経験を重ねる毎、土が大切なことと、土と離れられない「宿命」みたいなものを感じるようになってきた。 いや大げさだな、「縁」と呼ぼう。

今年は小濁焼講座(水と薪学園)と、復興鈴に関わりながら個人の土の研究も進めていく。もちろん身の回りの土だ。

妙高市矢代地区三ツ俣の住民の協力を得て、西部の土も取り組んでみることにした。加えて、新井南部地域を回ってサンプリングした土もテストする。 採取場所や成型性も含めて、だんだんと使える土の採取のポイントがつかめてきた。 (なお、いつものように、ごく少量のピース制作用の粘土を採取する場合を除いてはきちんと地主の許可を得ていることを付け加えておく) 

採取場所

まずはいつものように、そのまま焼いてみた結果を公開する。

1 1番の土の採取場所:三俣地内側溝脇

2

2番の土:同じ側溝の上流

3 3番の土:土砂崩れの下層

4 4番の土:別の斜面の小川下層の粘土層

Mitumata 棒状ピースの三俣:小川の上流下層の粘土層(h26小濁焼クラブ薪窯コースの作品の土採取場所)

Hiramaru 棒状ピースの平丸:平丸奥山のがけ崩れ箇所

猿橋 棒状ピースの猿橋:水がしみだしている山肌

Oogai 破片ピースの大貝:道路端の崩れた岩

ノダ 破片ピースの左:猿橋地内の道路端の崩れた岩

 

乾燥ピース

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棒状ピース左上から「猿橋」「平丸」「三俣(小濁焼講座採取)」 練りピース三俣「1」「2」「3」「4」

いずれも採取してそのまま加水もせずに練って成形したもの

可塑性:今回粘りの強い場所を狙って採取しているので成形は楽である。  収縮率:乾燥状態で1割ほど…感覚的に極端に収縮するものは無い

 

 焼成ピース

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焼成条件:電気窯、酸化、1230度、一部に透明釉を掛けた

焼いた後下敷きから剥がしてある。確実に溶けているのは棒の平丸と、三俣の3。後者に至ってはブクブクに発泡して使用に適さない。平丸も1000度程度の焼締なら使用可能だろう。

左上の棒状猿橋、一番下の棒状三俣は優秀。後者は今回小濁焼講座で使用する粘土。特に砂気が強かったせいか、他のピースが収縮率82%に対して85%と期待できる。ただ、精製のため濾した後どうなるか?

練りピースの3は使用不可能の他1、2、4はまずまずだ。色もそれぞれに特徴があり、質感も悪くない。 1はキメがそろっていて鉄が強い。釉の発色もよい。 2は鉄が少ない。釉がしっとり馴染んで涼しげな風合いがある。 3は1と2の中間的な感じだがキメは粗め。釉のなじみもいい。 1〜4はさほど離れた距離で採取した訳ではないのに色も性質もハッキリ違いが現れ面白い。そして焼いてみないと分からないという事を実感できる。

本来であれば1,2,4も改めて採取して使ってみたいところだが残念ながら量が採りにくい。土採取は大抵こういった悪条件に阻まれる。

 

須恵器窯が当地で唯一発見されたという三俣

ちなみにこの三俣は須恵器を焼いた窯が見つかっている(諏訪窯 ↓写真 妙高市郷土資料室にて)Suwagama 文中より:新井頸南地方の須恵器窯は、唯一新井市の三俣で発掘された諏訪窯跡があります・・

須恵器とは縄文→弥生→古墳時代と続くオープンエアーな焼きものの歴史の次に登場したクローズエアー・・いわゆる閉じられた形状の窯で焼いた焼きもので、酸素の供給が不足しているため灰色で、高温に焼かれるため焼き締りが良いのが特徴。(須恵器 ↓写真 妙高市郷土資料室にて) IMG 6516

 

砂っぽい岩は大抵溶ける

最後に猿橋と大貝の道路端で拾った岩を焼いてみた結果。

切り開いた道路端に崩れて落ちているのは粘土というより、砂泥が固まった岩で削ることができる状態のもの。 カラカラに乾いたり湿ったりを繰り返しながら風化するように砕けて崩れてくるようなものは、溶かせば一見粘土として使えそうな気がするが焼いていると大抵溶ける。 いつも期待するのは焼けた色だが、それほど特徴のある色が出なかった。細かく擦って釉にすればマットな柿釉になりそう。という感じ。発泡はなかった。 

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