先生と相談した結果、やはり釉薬を溶かす温度(いわゆる一般的なやきものの本焼き温度である1230度前後)で試してみることになった。
上は、前回素焼きの状態。
本焼きにあたって、溶けたり発泡したりする心配があるので、目の細かい貫入土で容器を作って焼成することにした。
焼きあがりがこれ。1225度の電気窯、酸化焼成。
素焼きでは似たようなオレンジ色もずいぶんと変わるものだ。
ついでに、その下の生土とも比較しよう。
観察
- ねばり:整形するには土同士がくっつくための粘りと、形を維持する性質が必要。とってきた土をなんとなく水で練って四角く固めたものは素焼きでバラバラになってしまった。これはそもそも形を作れない。バラバラになったものは、小さい受け皿に入れて焼いた。
- 収縮率:一般に陶芸の土として適している収縮率は85%〜92%くらいが目安となる。
12版は85%、8番は82%、14番は60%?程度まで縮んでいる。概ね収縮率が高く、割れる危険性が大。 - 耐熱性:本焼きで受け皿にくっついてしまうものは、一部が溶けているので適さない。くっつかなかったものは、8,14,17,23。 12は△、1と24はNG。
- 色:本焼きで黒〜赤茶は鉄分を含んでいる証。黒い粒が溶けているようなものは砂鉄。できればあまり無い方がよい。
陶芸粘土としてつかえるか?
もちろん、それぞれ何らかの工夫をして、作るものや温度を工夫すれば使えるはずだ。
だがしかし、一般的な釉を溶かし、器を作るとなると、先ずは土が溶けないもの。収縮が少ないもの、となる。
そういった意味で、単体で使えるものはかなり限定されてきて、しかも本番も同じように焼ける保証は無い。
事実、電気のテスト窯ではきちんと焼けているものでも上手く焼けなかったケースは何度もある。
つまり、鉄分が多い土は厄介なのだ。
今回のテストでは、おおむね黄色っぽい土が溶けずに残り、黒い土は釉のように溶けてしまった。
砂目の粘土は比較的安全だった。
砂目の粘土は比較的安全だった。
ということで、まとめると、収縮率や粘りなど調整して、もしかしたら使えそうなものは、8、17、23。
中でも23は目が均一で砂鉄も少なく、釉をかけると美しくなりそうな感じだ。