2010年12月28日火曜日

試験焚き 12月26日

いよいよ、作品を入れて焼いてみることに。 今回の目的は、「生の窯を焼くこと」「どんな風に温度が上がっていくかの調査」「窯の安全性」この3つだ。

窯詰め

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25日:窯詰めと言っても作品の点数は少ない。とりあえずこの日に合わせて作ってみた作品数点と、平ちゃんの器、竹田さんのオブジェ。 つくの立て方も見よう見まね。いろいろ相談しながら作業を進める。 竹田さんがやって来た。

詰め終わったら、出し入れ口にレンガを積み、土で目地を埋めて出来上がり。 すぐさま、少し炙っておく。 夜中の10時くらいまで作業を続けた。

焚き

26日:前日までの疲労を回復させ、気を引き締めて焚きに入る。温度計もセットする。9:00

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20度スタートも、10:00くらいになってようやく窯の上に塗った土から湯気がたちのぼる。

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11:30順調に昇温。軽く800度を超える。

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14:00 1000度の窯内部。↑ 15:00若干のアクシデント。熾が溜まりすぎて温度が上がらない。1080度まできて中断。日も暮れてくるので外の薪を片付けたり、窯場の整理をする。

焚きその2

かれこれ1時間。熾はかさが減り、温度は500度まで下降。 改めてミーティング「残った熾を一端出して再会するか?このまま続行するか?」 結果、このまま続行。しかし、焚き方を工夫して熾が残らないように燃焼させることに。

19:00 1000度に復帰。熾は前より溜まっていない。 これからがなかなか上がらない。少し上がっては下がり、1時間に50度くらいしか上がっていかない。

そしてようやく24時。1200度超え。

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その後、温度の下降上昇を繰り返し、1200度超えを合計3回繰り返すも、薪が無くなる。1210度を上回ることなく終了した。 大変残念ではあったが、薪のみで焚いた試験焚き。目的であった「窯焼き」「焚き方」「安全性」についてはチェックできた。

窯出し

28日:窯内部の様子をしっかりと確認する。炎の回り方、釉薬の溶け方、緋色の付き方、灰の振り方、熾の残り方・・。

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地元、麻生田や小濁の土は鉄分が多く無釉でいい発色があったが、土がへたって亀裂の入るものも多い。 ベンガラ飛びカンナ無釉の平ちゃん作品はベンガラ部分に光沢。 上部の釉薬は溶けている。下部の釉薬は解けていない。

炎の流れをイメージした作品の詰め方が出来なかったが、途中穴から見て確認した様子を頭に焼き付け、次回「初窯」はさらによい結果が出せることと思う。

2010年12月16日木曜日

特製・・・・"灰を掻き出すやつ"。とでも言うの?

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竹田さんが、またまたやってくれました。
某Tボルト社長さんが 「いらないからいいよ。」って、いただいたものを加工して作ってくれました。 
また一人サポーターが増えた気分。ありがたく頂戴します。感謝。

薪を焚くと熾(おき)が溜まって、掻き出したり、奥に送ったりする道具。必要だなぁとは思っていましたが・・・。

鉄製で2種類、長いのと短いの。なんとキメの細かなお仕事。

プレッシャー感じるね、平ちゃん!

2010年12月11日土曜日

本日、薪窯完成!!

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アングルを取り付け(竹田さん)、煙突を立ち上げ、完成です。(バンザーイ)

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そして、また火をつけてしまいました。さらに引きが良くなった!

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さぁ、いよいよ試験焚きに入るぞー!

2010年12月7日火曜日

12/5窯づくり最終とキルンパーク整備

12月5日ボランティア参加のみなさんありがとうございました。(今週末キルンパークの整備に参加しませんか?@あるねお舎β

初めての薪割り(小島さん)

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初めての土壁塗り(加藤さん/写真中央)

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窯作り作業

いよいよ最後の仕上げとなる。ここまで来ると降雪情報にらみながらあと何日外作業ができるか?という勝負。
本日、残っていた窯のアーチの仕上げと、テスト焼きのために出来る限りの薪を窯場に確保しておく作業を行った。

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レンガのアーチの上に、イソライトのレンガ。イソライトは耐火断熱効果の高い軽量レンガ。室内窯の材料となる。これはいただいた廃材。高価なイソライトも贅沢に使える。これをひと並べ。

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昨年掘っておいた小濁の粘土に、水、砂、レンガを切ったときの砂、珪砂、わらを刻んだ物を混ぜ、練る。これをアーチの仕上げに塗っていく

アルネ窯 小DSC01482
「ガタ、ガタン」屋根の上で物音が 。あれっ?誰が上がってるの。まさか・・・
なんと泰子さん。よくあそこへ上がったなぁ・・

アルネ窯 小 (3)
またまた火をつけちゃいました。この引きを見せたくて・・。
(この写真の撮影者はHIROさん。いらっしゃいませ〜)

窯を温めるべく本日は日が暮れるまで薪の準備と、キルンパークの掃除を行い作業終了とした。

2010年12月2日木曜日

アルネ小濁 薪窯作り「レンガ積み」のダイジェスト

長い年月かかった薪窯作りもクライマックスを迎えた。そのレンガ積み作業の一週間(プラスα)を紹介する。

下準備と仮組み11/21

長年放置状態だったレンガを運び入れ、設計図をもとに仮組み。イメージを確認。新調したレンガ割りでカットの練習中(平ちゃん)。
今さらながら、「オール バチ 」(ばち型にせっている変形レンガ)に頭を使う。(×悩ます)=「レンガは買うまい!不用品とリユースのみでやるのが、オーガニック流」とばかりに工夫が前提なのである。
中古棚板、中古つくを配置。窯アーチ内寸を棒で確認。#内心は、本当にできるの?大丈夫でしょう。…不安と楽観の行ったり来たり。

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サイズの再確認11/23

”アーチが最大の難関”初心者の我々でも安易に想像できた。バチレンガの最大メリット活かし設計図通りにアーチが描けるか確認。これにて型紙を起こす。#設計図通りでOK!

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1日目:位置決めと最下段レンガ11/25 夕〜

屋根は予め煙突用に桟を外してある。焚き口直上の煙突は3m上がって屋根を突き抜ける設計。ずれたら最初からやり直しか、屋根を作り直すしかない。どちらも避けなくては。・・超慎重になる。こんな作業が時間を食う。22時までかかって一段敷く。#今思うと、水平きちんと出して土間コン打った、良雄さん竹田さんに感謝。

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2日目:気合い充分 (now update)段目11/26

8時集合、いろいろ準備をして9時。終了は23時。#ちょっとやり過ぎか?

DSC02667途中柿の仕入れも・・

DSC02668DSC02671DSC02676アルネ制作委員 竹田さん差し入れと共に参戦。一気に進む

3日目:煙道にさしかかりペースダウン11/27

構造が複雑になり始める。間違うわけにはいかない。かつ、重力、熱膨張、空気の流れ・・様々な条件を考慮つつの作業となる。設計図はあれど起こした自分の責任は重大。なおもバチレンガと戦う。本日も夜遅くまで作業が続く。

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4日目:レンガ割りで積み上げ効率5割引き11/28

煙道作りに、出し入れ口作りにさしかかりいよいよ”カネ(直角)”レンガを多用。つまりバチを切ったり割ったり削ったり。アーチのレンガ割りも始まり、平ちゃんはレンガづくり専属となる。
(no)段目にさしかかり、村越はねおかんへアーチの木枠作りに現場を離れる。コンパネとベニアで型紙に沿ってカッティング→現場で組み立て。アーチの支え部分の構造で議論白熱。本日も8時集合〜夜中11時まで作業、午後は二人で休憩時間に2時間爆睡・・「さすがに3日は辛い」の平ちゃんのつぶやきに、翌日は自由集合とする。#今日で終わらせよう。なんてビジョンもあった、実は。アーチの支えは今思えば迷わず45度。なんであんなに悩んだんだろう・・。

DSC02679DSC02682DSC02685DSC02688再び竹田さんと、夕食ケータリング中のアルネ制作委員 泰子さん。

5日目:下地、下地で日は暮れる11/29

さぁ、作業。昨日の議論も一晩寝ればスッキリ決断。→アーチを下げ角度を緩くする。受け部分を45度に。最大の難関であるレンガ一枚幅で煙突とアーチの出会い部分、村越独断で作ってしまう(熟睡中の平ちゃん)。太陽の光で作業出来るのは4時半まで、日が落ちればブルーシート小屋は寒さもきつい。殆ど気休めの薪の焚き火も煙が充満して、我々の体はレンガの削りボコリと煙臭が染み付いている。
結果進んだのはアーチの受け部分の構造。そしてアーチ脇のレンガ積みも途中で切り上げ終了。夜中10時。#通称「行って来い窯」。モデルにした窯を写真で撮ってきて設計図を起こした私(村越)、今さらながら巧みな設計に感心する…熱効率、レンガ使い。

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6日目:クライマックス。アーチへ11/30

夜は暗いせいもあるが疲れきっているので、当日の成果写真を撮るのを毎日すっかり忘れてる。
平ちゃんは煙突付け根のカギ型ジョイント担当で制作。またもや時間を奪われるが、私はアーチにとりかかる。両サイドから始めランチ前に出会い頭まで進む。
いよいよトップ部分。温度計の穴を埋め丁寧にサイズを合わせたレンガを叩き込む。と、いい場面でよっちゃん登場(アルネ制作委員 横山裕孝さん) 。残るは煙突、もう一息というところで本日終了。

DSC02696DSC02699DSC02706DSC02707アルネ制作委員横山さん。差し入れと共に参入。写真取材、ベストショットをゲット

7日目:ドキドキしながら一気にフィニッシュ12/1

しかしよく続いたもんだ。もう終わりは見えている。煙突の下半身をモルタル接合で積む。ここからはコンパクトな水平器を持って始めるが特に大きなブレもなく積み上げられる。レンガ十段。

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やった!完成。ここから上はレンガを立てて14段を重ね、屋根を突き抜ける。なぜ?か一人作業でしみじみとフィニッシュへ。バッテリー切れで取り直し不可の記念すべきショットは光ってても気にならない。
数少ない並型レンガは底をつき、リサイクルのイソライトを持ち込み掃除作業と積み上げ。「大丈夫」予定通りの場所に煙突が立ち上がってる。
14時平ちゃん登場。「出来ちゃってるよ・・」。その後屋根をグラインダーで切り、桟を付け足し、ブルーシートで一応のおおいをする。そして大撤収作業へ。余計にあったレンガを移動。工具を片付け、チリ、ゴミ、借り物を一気に片付け、コーヒーで乾杯!
すっかり暗くなって、「では、木枠を外しますか」。落ちるはずない・・自信はあってもドキドキ、わくわく、「落ち着け、落ち着け」、しっかりはまった枠はそう簡単にはとれない。コンパネをジグソーで切ってビスを外す、メシメシッとベニアを外す。「美しい!」・・現れたアーチの裏側は意外とキレイに仕上がっているじゃない〜、ここは盛り上がる場面だ。
しばらく見とれ喜びもつかの間、「じゃぁ、炊いちゃいましょうか」。レンガやモルタルは湿っている、何れにしても乾かす作業が必要、徐に火をつけてしまう。

IMG_0756枠付き最後の景色を、焚き口から照らしてみる
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「引いてる引いてるっ!」煙突は自然に上昇気流を生み出すもの、解っていても焚き口の炎はしばらくしてゴォーという音をたてて窯奥に吸い込まれていく、熾は光る。”やったぁ〜。” この感動忘れまい。
何分たったろう?湿気を含んだ熱気は屋根のトタンの内側にたっぷりの水滴を作る。まだレンガむき出しのアーチからは湯気が。追い焚き用の穴から手を突っ込むと”熱い”。
いつまでも炊いていたい気持ちを押さえて7日間の作業を終了、解散。小濁の絶品の夜空、星は山の輪郭線まで煌々と輝いていた。

(▽ 煙突の効果で炎が吸い込まれていく様子をムービーでご覧ください)