6月11日。今年度のテストピース作りは土の調合と釉の調合を同じ日に行った。土のテストピースは素焼き無しで直接本焼き。窯はテスト用に購入した小型の電気窯。小さいので一気に高温になるのが便利だが1234℃以上に上がらなかった。
6月25日窯出し。テストの内容は、土と釉に分けて報告する。
土
今年度は市内では珍しい須恵器を焼いた諏訪窯跡がある三ツ俣(みつまた)の土に挑戦する。原土のピースでは1230度焼成で収縮率90%という嬉しい縮まない土でホクホクしたが、濾してみて解ったこと・・・粘りがない。要するに砂気の多い土ということなのだが、微小の砂であるため、粘りのある土を配合しようとなり、昨年採った麻苧田(あそだ)を混ぜてみることにした。
収縮率の大きい麻苧田を5割混ぜてもこのとおりの85%。あとは、好みの触感と作るものに合わせて調合すればいいと思う。
釉
2年前から講座ではテーマを設けてきた。2012年は薪ストーブの灰。2013年は自然材料でマットな釉や鉄の入った釉。今年は、身近にある動物釉。ちょっぴり冒険して変わった素材に取り組んでみよう。ということだ。
但し、じっくりと試行錯誤ができないので、興味半分で決め打ち配合でやってみようとなった。
素材はカルシウム系。「淡水系の貝」と「イノシシの骨」前者は炭酸カルシウム、後者はリン酸カルシウム。(認識が間違っていたらすみません)
炭酸カルシウムは釉材料の石灰をイメージして基礎原料として、リン酸カルシウムは発足補助剤として仮説をたて調合してみた。
リン酸カルシウム(猪骨灰)のテスト骨灰は鉄赤釉の赤を際立たせ、藁白の白を安定させるという。まずは結果から。
入れたものと入れないものの差を見るピースが準備できていないため資料不足。
藁白(乳濁釉)は良好に白い。但し上の配合は固そうで下は流れ気味。中間を狙えばいいのだろうがその配合にしても焼成の条件で左右されるのでどうしたものか。また、酸化では白いが還元では青くなるような気がする。
鉄赤は思った結果にならなかった。赤いと言えば赤いのだが、鮮やかな赤に近づけたいので鉄赤とは言い難い。貝はよく溶かしてビードロをイメージしたが、長石に対して5割配合したものは不透明になってしまい、全く筋違いな結果となった。