2014年5月20日火曜日

h26土研究その1

経験を重ねる毎、土が大切なことと、土と離れられない「宿命」みたいなものを感じるようになってきた。 いや大げさだな、「縁」と呼ぼう。

今年は小濁焼講座(水と薪学園)と、復興鈴に関わりながら個人の土の研究も進めていく。もちろん身の回りの土だ。

妙高市矢代地区三ツ俣の住民の協力を得て、西部の土も取り組んでみることにした。加えて、新井南部地域を回ってサンプリングした土もテストする。 採取場所や成型性も含めて、だんだんと使える土の採取のポイントがつかめてきた。 (なお、いつものように、ごく少量のピース制作用の粘土を採取する場合を除いてはきちんと地主の許可を得ていることを付け加えておく) 

採取場所

まずはいつものように、そのまま焼いてみた結果を公開する。

1 1番の土の採取場所:三俣地内側溝脇

2

2番の土:同じ側溝の上流

3 3番の土:土砂崩れの下層

4 4番の土:別の斜面の小川下層の粘土層

Mitumata 棒状ピースの三俣:小川の上流下層の粘土層(h26小濁焼クラブ薪窯コースの作品の土採取場所)

Hiramaru 棒状ピースの平丸:平丸奥山のがけ崩れ箇所

猿橋 棒状ピースの猿橋:水がしみだしている山肌

Oogai 破片ピースの大貝:道路端の崩れた岩

ノダ 破片ピースの左:猿橋地内の道路端の崩れた岩

 

乾燥ピース

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棒状ピース左上から「猿橋」「平丸」「三俣(小濁焼講座採取)」 練りピース三俣「1」「2」「3」「4」

いずれも採取してそのまま加水もせずに練って成形したもの

可塑性:今回粘りの強い場所を狙って採取しているので成形は楽である。  収縮率:乾燥状態で1割ほど…感覚的に極端に収縮するものは無い

 

 焼成ピース

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焼成条件:電気窯、酸化、1230度、一部に透明釉を掛けた

焼いた後下敷きから剥がしてある。確実に溶けているのは棒の平丸と、三俣の3。後者に至ってはブクブクに発泡して使用に適さない。平丸も1000度程度の焼締なら使用可能だろう。

左上の棒状猿橋、一番下の棒状三俣は優秀。後者は今回小濁焼講座で使用する粘土。特に砂気が強かったせいか、他のピースが収縮率82%に対して85%と期待できる。ただ、精製のため濾した後どうなるか?

練りピースの3は使用不可能の他1、2、4はまずまずだ。色もそれぞれに特徴があり、質感も悪くない。 1はキメがそろっていて鉄が強い。釉の発色もよい。 2は鉄が少ない。釉がしっとり馴染んで涼しげな風合いがある。 3は1と2の中間的な感じだがキメは粗め。釉のなじみもいい。 1〜4はさほど離れた距離で採取した訳ではないのに色も性質もハッキリ違いが現れ面白い。そして焼いてみないと分からないという事を実感できる。

本来であれば1,2,4も改めて採取して使ってみたいところだが残念ながら量が採りにくい。土採取は大抵こういった悪条件に阻まれる。

 

須恵器窯が当地で唯一発見されたという三俣

ちなみにこの三俣は須恵器を焼いた窯が見つかっている(諏訪窯 ↓写真 妙高市郷土資料室にて)Suwagama 文中より:新井頸南地方の須恵器窯は、唯一新井市の三俣で発掘された諏訪窯跡があります・・

須恵器とは縄文→弥生→古墳時代と続くオープンエアーな焼きものの歴史の次に登場したクローズエアー・・いわゆる閉じられた形状の窯で焼いた焼きもので、酸素の供給が不足しているため灰色で、高温に焼かれるため焼き締りが良いのが特徴。(須恵器 ↓写真 妙高市郷土資料室にて) IMG 6516

 

砂っぽい岩は大抵溶ける

最後に猿橋と大貝の道路端で拾った岩を焼いてみた結果。

切り開いた道路端に崩れて落ちているのは粘土というより、砂泥が固まった岩で削ることができる状態のもの。 カラカラに乾いたり湿ったりを繰り返しながら風化するように砕けて崩れてくるようなものは、溶かせば一見粘土として使えそうな気がするが焼いていると大抵溶ける。 いつも期待するのは焼けた色だが、それほど特徴のある色が出なかった。細かく擦って釉にすればマットな柿釉になりそう。という感じ。発泡はなかった。 

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2013年12月5日木曜日

作品と焼きの評価 小濁焼クラブ

小濁焼が2年目の方もあり、窯焚き、釉薬ともに充実して来た感がありますので作品について入念に評価してみようと思う。

釉薬

釉薬は今回4種類使用した。

A.中村灰マット、B.中村灰鉄赤、C.村越藁白、D.h24小濁窯クラブ釉

内、AとBが今年開発した釉薬で、Aは安定した良好なカオリン系のマット。Bは酸化で黄色が強く出て還元でマット赤〜黒の鉄の色濃い釉薬だ。 写真はBの釉薬。左が還元、右が酸化 

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釉掛けの状態からごらんいただくと、黒っぽいものがD. 白っぽいもの左から2列目と3列目の下がA. 赤一番右がB.

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まずはAの作品 中村灰マット 

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▲皮鯨灰マットマグ(村越)/今年の土の雰囲気が出る薄掛け

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▲皮鯨灰マット中鉢(村越)/落ち着いた表情。マグよりさらに薄掛け

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▲灰マット小皿(斎木京子)/比較的厚掛け。たまり部分は不透明なつや消し

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▲灰マット湯のみ(宮下均)/緋色の出る粗い白土に程よくかけた。細かい貫入も

中村灰マットは比較的厚掛けがよいようだ。白土で美しい半透明の白となる。

 

続いてB.の作品

中村灰鉄赤

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▲マグ、花器(斎木京子)/上のテストピースでも判るように、左のマグは酸化で、右は還元気味。花器は窯の最上段に置いてあり、マグは中段に配置したため変化した。

http://farm6.staticflickr.com/5522/11219302946_a48edd45d7_n.jpg 鉄赤釉小皿(村越)/こちらは窯の最下段に置いたもの

中村灰鉄赤は窯変が激しいようだ。

 

続いてC.

村越提供の藁白

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▲茶碗(斎木京子)/比較的人気の釉薬となった。掛け具合、窯の様子で景色が変化する。

D.h24小濁窯クラブ釉(昨年開発した釉の繰越品)

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▲刷毛目湯のみ(村越洋一)/酸化に近いが自然と薄い緑色が出る。

http://farm4.staticflickr.com/3776/11219306436_fc77ff19f6_n.jpg斎木京子作。厚掛けで白濁。しっとりとしてよく溶ける。

最後に焼き締め

http://farm8.staticflickr.com/7291/11219294095_be275ecbf2_n.jpg 貝跡お一人デカンタ(村越)/無釉、最上段にて焼成

http://farm8.staticflickr.com/7343/11219420113_bbccd84fe2_n.jpg 焼き締め壺(村越)/火前で焼成

焼き締めは鉄の雰囲気が良く出ている。高温でブクが出始め熱の弱さを感じる

今回の窯について

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温度の上昇が順調で上下のゼーゲルとも9番が完倒しているため充分な熱量があると判断したのだが、2段目の藁白が溶けていない。今少し引っ張る必要があったようだ。

また、中性〜酸化気味である。もう少し還元で焚けるようコントロールの課題を残した。

 

本窯焚きにチャレンジ!窯焚きの一部始終編〜窯じまい 小濁焼クラブ

11月25日。ものすごい突風のため、煙突のレンガが覆いとともに吹っ飛んだ。そしてレンガ4個が煙突内に落下。煙道をふさがないよう、棒で煙突の上からよけてやるも、取ることは出来ないのでそのまま窯焚きすることに。

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さぁ、h25小濁焼クラブ最後のクライマックスを迎えました。

朝6時に咲耶姫にお祈りし、点火。島田さん、宮下さん、村越で窯焚き開始。9:00に綿貫さん参戦。

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10:30。学校の授業で復興鈴を作った妙高小の子どもたちがやってきました。全員が交代で薪くべを体験し、窯の中を覗き込むと「うわぁ〜っ」と歓声があがりました。

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正午。1000℃を超えた窯の内部。

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この日の窯焚きは順調でした。15:00には1100℃に上がり黒煙と煙突からは激しい炎も上がる。

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19:00、1230℃になり、1200℃キープも順調。

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テストピースにもまずまずの灰が被り、全体に酸化気味。ゼーゲルの倒れ具合を確認して19:45に窯焚き終了。

非常に順調な窯焚き。お疲れ様でした。(作品の様子は次の記事で紹介します)

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午後からは泰子、斎木さん、出口さんも参戦。再登場の綿貫さんの差し入れに励まされる。

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12月2日。窯小屋の冬囲いと窯終い作業

 

1.煙突のアングルを外し、レンガをしまう。蓋をしてシートで覆う。

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2.今年より単管の間柱を2本立てる。島田さん斎木さんの協力による

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3.小屋内を整理してベンチや灰のアク抜きの樽をしまう。

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4.パッタンを倒し、周囲の囲いを入念に行い終了。

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2013年11月21日木曜日

本番釉&釉掛け 小濁焼クラブ

11月21日いよいよ作品の最後の仕上げ。

素焼きが済んだロクロ作品に(これは、春に採取した地元の土を濾した後、テスト焼きして配合を決定したもの)、

釉薬を掛けます(これは、昨年の冬シーズンの中村さんの薪ストーブ灰をアク抜き→ポットミルで擦った後、配合を変えて何度もテスト焼をしたもの)

—— 長い道のりでした。——

本日は、釉薬テストピースからいい感じの釉を選んで本番釉を調合し、先日のロクロ大会で出来上がった作品に、おのおのが出来上がりをイメージして掛けていきます。

どんな色になるんだろう?? テストピースとにらめっこしてもなかなか想像ができません。

さて、次は窯詰め、そして本窯焚き。薪割りの成果とともに最後の炎との闘いに挑みます。

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2013年10月13日日曜日

25年度小濁焼クラブ粘土(備忘録)

【木節粘土の必要量の計算方法と価格】
木節粘土の加水率は粉末1kgに対して360ccです。
原土5kgを60%とすると全量は8.3kgとなり、3.3kg分の木節粘土に必要な粉末木節粘土は2.4kgとなりますが、分かりやすいように2.5kgとして考えると、ちょうど原土の1/2量の粉末木節粘土を混ぜると、原土60%配合に相当します。
1kgの粉末木節粘土は100円で販売させていただこうと考えていますので、原土5kgを希望されているかたは木節粘土を2.5kg(250円)をお支払いください。原土は今年お使いになる分は無料でお分けします。

【野焼き粘土の作り方】
野焼きは急熱急冷で焼成します。そのため割れないように砂を沢山入れます。
「土:砂=10割:2から3割」です。
1200度を超えるやきものでは鉄が解けて作品や窯道具を壊すので、砂鉄には要注意ですが、野焼きの場合は800度程度なので心配ありません。
今回はご自身で採取した砂を使えます。お勧めは洗った川砂で中目でふるってください。多少の荒い細かいはOKです。ご用意出来ない方はこちらで準備しますが有償の場合もあります。