「織部釉の酸化皮膜とりに栃渋を使う」とは、陶芸をやられてない方には意味が解らないでしょうね。
織部釉とは、銅を着色剤に使った透明釉の仲間で、完全燃焼で焼く酸化焼成で緑色を出す釉薬です。
酸化皮膜とは、専門的な事は知りませんが、焼き物の表面にくもりガラスのように着く白い膜のことです。
栃渋の栃とは栃の実のヘタのことらしく、実際はクヌギのそれを使うと言われています。それから取った灰汁は弱酸性で酸化皮膜取りに効果がある、とのことです。
製品として栃渋を売っているらしいですが、私は希硫酸でも、製品の栃渋でもない方法で今まで渋抜き(酸化皮膜取り)をしていましたが、やはり一度は正道で試してみようと思いたち、アルネ小濁の24年度「小濁窯クラブ」の活動で紹介するため、情報を収集していました。
早速、本物が手に入りました。日本海側では数は少ないそうですが、近くの山にあるとのことです。
また、上越のある地区の山林に存在するとの情報も得ました。ついでにヘタとは言わず正確には殻斗(かくと)と言うそうで、勉強になり集合知を実感しました。本日3月31日。新年度を前にしてワクワクしています。